スティーブジョブスに俺はなる!!

毎日全力を出し切り、自分史上最高を出し続けたい!

1日60分で部員12人のチームを花園に行かせたマネジメント

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どこから立て直したのでしょうか。

星野:まず、ポスターを作ったんです。2000何年、全国大会準々決勝、東福岡対桐蔭、伏見工業対何々、何々対静岡聖光学院というのを部室に張って、こうなったらうれしいだろうと部員に言いました。当時、みんなはきょとんとしていましたが。イメージトレーニングみたいなものです。わくわくするような目標があれば、みんなやる気が出るんです。

わくわくするようなイメージがやる気を出す。勉強会やイベントに出るとやる気が出るのと同じだろう。成功者のトーク会や、起業家イベントには積極的に参加するようにしたい。

 

しかし、イメージだけ大きく掲げても、それを支える練習環境のハンディは大きいですね。

星野:そこは発想の転換でした。まず、練習が1日60分しかできないから足りない、ではなく、60分しか耐えられない練習、すなわち61分やったら倒れてしまうような密度の濃い練習にすればいいのではないか、と考えたのです。

 まず、練習で自分の番が来るまでに並んでいる時間をなくしました。2~3人一組にして、とにかく休みなしで動き回らせるようにしました。水を飲みに行くのも全力ダッシュ。先生が集合と言っても全力ダッシュです。

 ダッシュだけではありません。ダッシュした後、最後に必ずしゃがませます。これは、タックルをするときの動作の練習につながります。

徹底的に効率的に作業を行う。時間的制約を設けるのがベストなのだろう、いつまでに何をやるか目標を立て、それに向かって最短で進むのが良さそうだ。

 

練習や試合の時間の密度がとても濃そうです。

星野:例えば、毎日練習していたとします。きっと、スタッフの会議では、「明日は何のメニューをやる?」、と頭を悩ませることになります。練習時間が3時間あれば、2時間までは何をやるか決まったけど、残り1時間は何をやろうか、となります。この「何をやる?」はおかしいですよ。そんなことに悩むなら、必要最小限の2時間で生徒を家に帰して、勉強させた方がいい。

 練習時間が長いと、本来やらなくてもいい、ルーティンワークのような惰性的なメニューがどうしても入ってくるんです。それって意味がない。逆に言うと、3時間やりたいのに60分しかない場合、そのメニューをどうやって60分へ凝縮しようかと考えた方が、よっぽどいい練習になるはずです。

これもあるある。どうしても余計な事をやってしまう。会議などでも時間的制約を作って、絶対延長しないようにした方がいいだろう。せっかく時間的制約を作って会議しているのに、話が盛り上がって延長するというのはよくある話。あれは無駄でしかない、延長したケースでは大抵の場合、時間的制約感が薄れ議論が冗長になってしまう。

 

トップスピードを上げるためではなく、疲れない走りをするため陸上コーチを呼んだのですか。

星野:目をつけたのが練習時間以外の時間です。私たちは練習時間が短い。逆に言うと、ほかの学校より練習時間以外が長い。つまり、普通に歩く時間が長いということです。

 そもそも陸上のトレーニングは、歩くフォームがすべての基礎になるといいます。どうリラックスして歩けるかが、長い時間を疲れずに走るためには大切です。じゃあ、通学の時間も歩くトレーニングができるじゃないかと気が付きました。今は、スタミナ不足が原因で負けることはなくなりました。

 隙間時間の有効活用の手本。仕事でも隙間時間をいかに有効活用できるか考えたい。電車での移動時間は絶対的に有効活用できるだろう。